ともに創る活動

「ともに創る活動」では、農業や伝統工芸、障がい者福祉・高齢者福祉、その他の目の前で困っている「産業」の課題と、地域資源をポジティブに組み合わせるサスティナブル(持続可能)なソーシャルビジネスを創り出すプロデュースやコーディネートに取り組んでいます。

都市部の農業・漁業を応援する取り組み

東京に次いでイタリア料理店が多い大阪市内で、市内農家とともに付加価値の高い「イタリア野菜」を作り、飲食店や仲卸に繋いでいく取り組みを2019年からスタート。シェフが料理づくりを通して野菜の魅力を伝えるライブキッチン、エディブルフラワーの寄せ植え体験など、セミナーやイベントを数多く実施している。

大阪市住吉区を中心に活動をする約10の花苗農家を応援するソーシャルビジネスとして、高齢者福祉施設の介護レクリエーションの一つである「寄せ植え」を手軽にはじめられる「花」「土」「ケース」などを送るオンラインキットをプロデュース。商品の梱包・配送を担当するのは、障がいのあるスタッフとして、都市部での農福連携を実現している。

大阪府堺市から岬町までの13の漁業組合や港町で暮らす人たちを取材、紹介する南海電鉄プロデュースのWEBマガジン「SUI」のホームページ企画・取材・運営を担当。普段はなかなか光が当たらない漁師の暮らしや地域文化などを、親しみのある取材テキストで伝えた。

障がいのある人が地域の孤食を支援する「みんな食堂」の立ち上げ・運営

大阪市住吉区杉本町の高齢者が多く住む団地に2018年8月にオープンしたランチ食堂。週に数回するこの場所は、障がいのあるスタッフが食事を提供し、横のつながりが薄れていた住民たちのコミュニティーと健康を支えています。そして、住民たちも障がいのあるスタッフを見守ると優しい助け合いの関係が生まれました。2019年度グッドデザイン賞、健康寿命を伸ばそうAWARD2019 厚生労働大臣団体賞を受賞。

大阪市平野区に1970年に建てられたメガロコープ平野。約50年の時間が経つ中での生活のお困りごとを支えていくべく2020年2月にイズミヤ平野店内の空き店舗を、地域の支援団体と連携した週に数回だけオープンするランチ食堂としてリニューアル。地域ボランティア、障がいのあるスタッフなど、いろいろな力を集めて、共に支え合う場が生まれています。2019年度 大阪府商店街サポーター創出・支援事業に選ばれた。

障がい者福祉作業所の工賃向上コーディネート

遠方のお墓になかなか訪れることができない方の代わりに、お墓参りやお墓の掃除を代行する事業は、対人もなく、時間制限もなく、そして施設内での軽作業よりも高い金額を得ることが可能に。東京都府中市と大阪府堺市での福祉施設のネットワークとともに、ゼロから事業を立ち上げるコーディネートを担当した。

パン屋クッキーを製造する障がい者福祉作業所の売上アップを目指すべく、新メニューとなるロールケーキのレシピ開発、製造フローの確立、通販の体制作り、プレスリリースとメディア対応などをコーディネート。数多くのメディアで紹介されました。

スマートフォンなどでの電子書籍が拡大していく中で、ビジネス文書や研究資料等のスキャニング作業は、初期投資も少なく、作業もわかりやすく、インターネットを介して全国からオーダーを受けることが可能です。精神障がいのある方を支援する福祉作業所で導入され、本事業の経験を通して就労につながったケースも数多く生まれました。

はたらく訓練の中で賃金を得る福祉作業所が、全国の企業や一般の方から缶バッジづくりのオーダーを受ける事業を立ち上げました。缶バッジマシンの選定、資材の準備、ホームページでの受注システムの準備など、缶バッジづくりという単一ながら数多くの数を捌く知的障がいのある方に適している事業です。

見栄えがよく健康的なメニュー、居心地のよいオシャレな空間、そして、オフィス街ならではの人の多さ。ランチを提供するカフェが「福祉であること」をあえて言わないことで人気を集めた福祉作業所をプロデュース。2016年グッドデザイン賞を受賞。2018年、大阪北部地震の影響で閉店。

障がいのある人と後継者不足に悩む産業をつなげる取り組み

京都市内で長い歴史を持つ「和ローソク」。「洋(石油)ローソク」が広がり、さらに神社仏閣の灯りが電気に変わっていく時代の中で、職人の担い手不足の課題が浮き彫りに。そこで、和ローソクの製造工程を見直し、細やかな作業が得意な障がいのある人を絵付け職人として育てていく、京都市で初めての「伝福連携」の取り組みをサポートしました。

西陣織の加工技術の一つとして、生地の美しく演出する「京鹿の子絞り」。職人の高齢化により、担い手不足が続く中で、特殊な機械を使う内職作業の継ぎ手として手先の器用な障がいスタッフが若手職人として雇用。複雑な作業工程をわかりやすい工程に変えるキットづくりなどのサポートをしました。

新聞の購読者が減っていく時代の中でも、人が必ず必要になる新聞配達。朝に数時間・昼に数時間の時短作業だからこそ、長時間働くのが難しい障がいのある人にはピッタリな仕事のはず。朝日新聞の子会社である朝日総合開発と連携し、京阪神の配達会社への就労支援をサポート。